2011/12/18

統計的呪術師

分析官の仕事は、分析対象の時制により仕事内容は大きく変わる。

・分析対象が過去の事象
この場合、分析官の仕事は、事象を切断することである。
切断することによって事象の次元を一つ減少せしめ、理解しやすくすることが分析官の仕事である。
切断とは、本当に文字通りの意味であって、それ故に、切断による切り捨て=情報欠損は免れない。
最も情報量のおおい断面で切断するのが腕の立つ分析官である。

・分析対象が未来の事象
一方、未来に携わる分析官の仕事の本質は、古代の占い師と選ぶところはない。
その信頼性の担保がアポロンから統計学にかわっただけだ。

コーヒープランテーションの逆説的ブートストラップ2

遥かな南にあるコーヒープランテーションでは、黒人は神への祈りを口にしながら、ドイツ人に鞭でたたかれていた。
涙は太陽の熱で二秒のうちに蒸発し、白い塩の結晶が、砂漠の塩柱のように見える。
私はスターバックスに入り、300円支払って後味の悪いコーヒーを飲む。
私はコーヒーを買っているのではなく、場所を買っている。
筑波大学はどこまでいっても筑波大学が続いているので、確かにサードプレイスは必要だった。
しかし、ここ中央図書館では、エントランスに出店している関係で冷房が効かない。
汗を流しながら、コーヒーを飲むことになる。
もっとも、私の汗は塩の柱になることはなかった。

2011/11/19

コーヒープランテーションの逆説的ブートストラップ

ハワード・シュルツ「社会的責任を放棄せずに株主に対して責任を持つ」

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コーヒーの歴史についての本を読んだ。
ドイツ編に入って急に面白くなった。
それは、著者の資本主義への憎しみが、行間から読み取れたからだろう。
商品フェティシズムと搾取が表裏一体である、と著者はいう。

表現がうまく、読ませる文章を書く。
それだけに、コロっと共感してしまう人も多いと思う。
恐ろしい本だ。

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スターバックスでは、「フェアトレードキャンペーン」をやっていた。
フェアトレードのキャンペーン。
語義矛盾を感じた。

語義矛盾というのはクールすぎる書き方で、実際に感じたのは胡散臭さだった。
フェアトレードのうさんくささはどこからくるのだろう。


それがスターバックスの経営戦略の一部と思えるから?
理念先行で、「地に足がついていない」から?
私の共感能力の問題?
共感の安っぽさだろうか?

共感が商品のように思えるからだろうか

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コーヒープランテーションが凄惨な場である限り、
あちらでは安価なコーヒーが生産され続け、
こちらでは幽霊のような共感が再生産され続ける。

そして幽霊はコーヒーに憑依する。
この二つは不可分なので、私はコーヒーと幽霊の代金をカウンターで支払った。

2011/03/31

メモ

「カスタマーリレーションマネジメント暗黒面というのは、つまり企業が、どれだけ消費者から搾り取っても取引を続けてくれるか見極めようとしているのだということだ」

イアン・エアーズ

2011/03/27

長かった青春よ、さらば!

震災の影響で大学の建物が使えなかったので、学位授与式は野外で行いました。
1年休学して7年、今までの人生の実に30%程を大学で過ごしました。

筑波大学に対しては休学もしたことだし、愛憎入り乱れる感じですが、最後は愛が勝ちました。

先生の言葉
・マニュアル的な知識は全く約にたたない
・30代まではモノにならなくても良いから全方位にアンテナを向けろ
・英語を勉強しろ海外に行け
・僕はロスアラモスにコネがある(これは凄い事です)
・反抗するなら意思を貫け

友人の言葉
・大学生活は人を変えてしまう
・田舎の大学でよかった

2011/03/21

映画の感想

モーターサイクルダイアリーズ
・無鉄砲な正義感は人を惹き付ける
・10近く歳の離れている男同士で旅をする事に違和感を感じた
・南米ではダンスが社交になっているのか

ハウルの動く城
・BGMが良かった
・星の子の書き方が呪術的。子供は怖かったのでは

エヴァ序
・震災後の世紀末感にとてもあっていた
・使徒が死んだ時の虹の演出が良い
・クレジットにも虹のモチーフが使われていてよい
・宇多田さんの歌は良いが、歌詞は違和感がある

エヴァ破
・シンジくんがイケメンキャラだった

過剰な情報に溺れない為には?

「コンピュータの電源を切ればよい」
Russell Davies

2011/03/17

ロシア映画とミントのお酒の話

夏休み。酒屋へ行き、ミントのお酒を買う。我が家のクーラーは壊れている。
帰り道、友人からオールナイトでロシア映画を見にこないか池袋へ、というメールが来る。
さんざん迷ったあげく行く事にする。こんな経験はなかなか出来ないはずだ。

合流し、見る。
長回しの映像と筋の分かりにくいストーリー。端的に言ってつまらないが、
こんな経験なかなか出来ないはずだから頑張って見る。

「歳をとるほど、強くなるほど、凝り固まってゆく。それは死に近づくということだ。」

理解できたのはこれくらいだった。
映画では、タルコフスキーの思想が8時間分の映像と台詞で語られていたことだろう。
しかし、それは疲れて凝り固まった私には届かなかった。私は理解できる言葉しか理解しようとしなかったのだ。
凝り固まった人間に何かを伝えるのは大変なのだな、と思った。

朝マックに行く。解散する。
秋葉原のスタバでコーヒーを飲み、日記と感想を書く。電車に乗って帰る。

午前9時、家に付きシャワーを浴びる。クーラーは壊れている。
ミントのお酒を開ける。グラスに注ぎ(人工的なアオミドリ色)、氷をいれて飲む。
こんな最高に美味しい飲み物があったなんて!

それ以来、ミントのお酒を飲むとその朝の気分を思い出す。
冷静に考えるとそんなに美味しくないが、真夏の完徹ロシア映画祭りの後にクーラーの無い部屋で朝を迎えるには最高の飲み物だと断言しよう。

ブチャラティ的イケメン発言だが良く考えてみるとそうでもない例

その1:企業の社会的責任は法人税を出来るだけ多く納税すること

その2:企業の社会的責任は雇用を生み出すこと

その3:企業が継続的に利益を出すということは雇用を継続的に創出するということ

「『株主への責任を守る』『社会的責任も守る』。”両方”やらなくっちゃあならないってのが”経営者”の辛いところだな。覚悟はいいか?オレは出来てる」
ハワード・シュルツ

2011/03/09

新橋

ガード下へ。
場末感漂う店がいくつもある。独特の魅力がある。
昼下がりの通りにスーツを着た男が水のようなものを吐いている。
生活の汚濁にまみれた飲み屋街からは清潔な時事通信社が見える。
彼らもここに来るのだろうか。

汐留。
スカートの長い修学旅行の一団が電通のビルを見上げ
「エレベーター速い!いみわかんない」
と言う。女の子ばかりで女子校かと思ったが、
最後尾には4,5人の男子がいかにもつまらなそうにうつむきながらついてきている。

私は緊張とコーヒーの飲みすぎで気分が悪かったので日テレそばのタリーズコーヒーへ行った。
そこには就活生とサボリーマンしかいなかった。
堕落と自己卑下の気配がしたが、彼らは互いに許しあっているように思えた。
私は自分の将来について考えた。

プロとコントラ

大審問官とは、カラマゾフの兄弟「プロとコントラ」にてイワンの口から語られる小説内小説。
大審問官(枢機卿)とキリストの考えの違いについての話。

大審問官は人間への愛故に民衆を支配し、彼らを救う。「オレらに従えば、パンにありつけるよ」
キリストは人間への愛故に民衆に自由を与える。そして、信仰表明(Yes Christ)した者を救う。「あなた達(の信仰)は自由だ。それでも私を信じるなら、世界の終わりに救われる」


「地上のパンか、天上のパンか?」がテーマ。これはかなり宗教的だが、もう一段さげて
「支配か、自由か?」と考えると、とても普遍的なテーマであるように思う。

大審問官の台詞で印象的なもの。
「選択の自由という恐ろしい重圧におしひしがれた人間達が〜(略)〜お前の真実にも異議を唱えるようになる」
「自由というあれほど恐ろしい贈り物を受け入れることができなかったからといって、このか弱い魂のどこが悪いというのか?」

自由は弱い人間、つまり、何を為すべきか自分で策定できない人間にとって苦痛であると言う。これはとても身近な問題だ。

例えば就職活動。
リクナビに登録すれば、眼前には7000〜8000の企業がずらりと並ぶ。自由に選べ。普通の人はそんなことできっかよ!と異議を唱えることとなる。
「プロとコントラ」流に言えば、リクルートはキリスト的だ。
迷える就活生が「Recrute the Christ」と信仰表明したところで彼らは地上のパンも天上のパンも保証することはないだろう。それは無責任ではない。彼らは神の子ではない。

電通広告年鑑09-10・インタラクティブ・メディアの項には、情報の自由化によりユーザーの負担が増加したのでそれらの秩序化が必要だ、と書かれている。
リクルートとは逆の方向性だ。

2011/02/17

芥川賞選評コメント


限りなく透明に近いブルー
「芥川賞の銓衡委員をつとめるようになって三十七回目になるが、これほどとらまえどころのない小説にめぐりあったことはなかった。それでいてこの小説の魅力を強烈に感じた。」「若々しくて、さばさばとしていて、やさしくて、いくらかもろい感じのするのも、この作者生得の抒情性のせいであろう。」「二十代の若さでなければ書けない小説である。」(丹波文雄


丹波文雄は慧眼だ。
確かに村上龍のその後の作品は、限りなく~とはかなり違う。
もろさがあんまりない(気がする)。醒めたマッチョのような感じになっている。

コールドプレイもファーストは、もろもろしく、水水しかった。
若さと引き換えなのか。そういうものは。

2011/02/16

劇のネタ

「世界革命!プリキュア」


ディー室に渦巻く罪

暴食(誰かのおみやげをいくつも食べる)
色欲(ハーレムバンドばっか組む)
強欲(譜面立を同時に二つ使って作業)
怠惰(毎日同じ服を着てドラムをたたきにくる)
嫉妬(同級生女子を先輩に誘惑された一年生男子)
傲慢(ジャズってかっこいい、ジャズやる俺もかっこいい)
憤怒(合唱団むくどり)

革命する3人のプリキュア!
キュア自由、キュア平等、キュア博愛
憤怒(むくどり)以外の罪をひとしきり踏んだ後ギロチンにかける。
「自由と平等と博愛の精神に照らし合わせるとぶっちゃけありえない!」

全員倒したあと、ディー室に革命的な瞬間が訪れる
そこにはむくどりがのびのびとさえずるサンクチュアリがあったという

エンディングテーマはラ・マルセイエーズ(アカペラ)

six hearts princess


音声付

kaikaikiki作。
額の漢字がかっこいい。作者は、怪物が吐くシーンにこだわったそうです。



heart catch pretty cure

プリキュアのクオリティーすごい。


キュアロスローリエン?

2011/02/15

村上隆と理念について

村上隆 「芸術起業論」

村上隆さんはとてもしたたかな人だ、とぼんやりと思っていた。しかしそれは、こっぱずかしいとも言える人生上の問題から–––おれって何なんだろう、とくよくよ悩む中高生のような、沢山の人が素通りしてしまうようなものがエンジンとなっている。

自分も薄々気付いておきながら素通りしそうになっていたが、理念というのは、ある種のひとびと、コーヒーを好んだり、本を横向きに積み上げる癖があったり、自分の悩みと宇宙の大きさを比べておれはなんとちっぽけなんだと考えた次の瞬間に俺は自分を騙してはいないか?と疑うようなひとびとには大事なのだと思う。

理念の設定に正誤は無い。あくまで立場の問題だ。人参は食べるがピーマンは拒否する、というのと変わらない。

なので理念設定は自分の欲望に従うのが自然だ。しかしそれは易々と見えるものでは無い。村上隆は自分を追い込むことで理念が根源的な欲求と繋がっているか何度も確認している。
その根源的な欲望を達成する為には何だってやれよ、ということだ。

この本を読んで、村上春樹のねじまき鳥クロニクルの戦時中に井戸に放り投げられた男を思い出した。

2011/01/04

アエラの謎

テレ朝、韓国テレビ局に出資。日韓コンテンツ拡大狙う

アエラでは韓国の芸能人特集を必ず数ページやってて、何でかな、と思ってたけど、このための下地作りだったのかもしれない。