2011/11/19

コーヒープランテーションの逆説的ブートストラップ

ハワード・シュルツ「社会的責任を放棄せずに株主に対して責任を持つ」

************************

コーヒーの歴史についての本を読んだ。
ドイツ編に入って急に面白くなった。
それは、著者の資本主義への憎しみが、行間から読み取れたからだろう。
商品フェティシズムと搾取が表裏一体である、と著者はいう。

表現がうまく、読ませる文章を書く。
それだけに、コロっと共感してしまう人も多いと思う。
恐ろしい本だ。

************************

スターバックスでは、「フェアトレードキャンペーン」をやっていた。
フェアトレードのキャンペーン。
語義矛盾を感じた。

語義矛盾というのはクールすぎる書き方で、実際に感じたのは胡散臭さだった。
フェアトレードのうさんくささはどこからくるのだろう。


それがスターバックスの経営戦略の一部と思えるから?
理念先行で、「地に足がついていない」から?
私の共感能力の問題?
共感の安っぽさだろうか?

共感が商品のように思えるからだろうか

************************

コーヒープランテーションが凄惨な場である限り、
あちらでは安価なコーヒーが生産され続け、
こちらでは幽霊のような共感が再生産され続ける。

そして幽霊はコーヒーに憑依する。
この二つは不可分なので、私はコーヒーと幽霊の代金をカウンターで支払った。