2009/07/26

横浜美術館

横浜美術館「フランス絵画の19世紀」

ふらりと行った横浜の美術館で、フランス19世紀絵画の特集をしていた
平日の昼間だったので、客層はリタイアした老夫婦が多い
しかしぼくよりちょっと年上ぽい女性も何人か見かける

美術館にくるような女の人はみんなおしゃれでいい
ぼくは全身ユニクロだったな
ちょっと引け目を感じていた

ロマン主義と呼ばれる絵画が沢山展示されていた

洪水の町で妻子を引き上げようとしている男の絵があって、
男の目の必死さはそれはそれは必死だったけど
女の体にはどこからか光が当たってて、
ポーズなんかとってて筋肉なんかもすごくきれいだった
でも洪水の時にそんなのってないよな。ぼくはしらけた

絵を見るたびに段々とやるせない気分になっていた
そういうのはあんまりにドラマチックで、多少の嘘をついているように見えた
構図の美しさ、造形の美しさの為に、真実を塗りつぶしているように思えた

でもそれはきっと作者の美的感覚がダセーとかではなくて
ぼくの生きている時代のせいだ
ぼくは19世紀フランスのロマンティシズムを身につけていない


ロマンティシズム
「挑んで破れる事がロマンティシズムの本質」だと
村上春樹の作中人物は言っていた
そのとおり、だが、
ロマンティシズムの本質をロマンティシズムを排して表現すれば
「自覚なき嘘つき」

てくてく歩いて、出口につくと
ぽつんとセザンヌのセント・ヴィクトワールの絵がかかっていた
足を止めてまじまじと見た

赤茶けた岩土がむき出しになり、所々に背の低い植物が生えている
空は水色と若草色(!)

若草色の空、そんなものはきっと無いだろう
しかしこれが嘘(ロマンチックに言えば、セザンヌの祈り?)だとしても、
まあいいかなと思う

なんでロマンチストの嘘はぼくをがっくりさせて
セザンヌの嘘はいいよいいよってひいきしちゃうのか
ぼくにもよくわからないけど
カッコ付ける為の嘘と、どーでもいい嘘との違いかな
まあほんとは好みの差かもしれない
ヤベー死ぬって時に「バァーン」ってポーズ付けてる女と
若草色の空のどっちがすてきかっていう

セント・ヴィクトワールの絵を結構長い間見ていたけど、
ふと、なんでセザンヌはこの山にこだわったのか気になった
これはもう想像するしか無いけど、やっぱり好みの問題なのかな


絵の説明にはこうあった
「晩年のセザンヌは、南仏で孤独な創作活動を行っていた」

2009/07/23

スティル・ライフ

池澤夏樹「スティル・ライフ」

蝉の鳴き始めた頃に購買で見かける
「青春小説」というあおりに惹かれて買う
青春、いいね!
文庫版、装丁はウィリアム・モリス

きれいな名前だ、どんな女の人なのかな、と思って本を開くと、
リリカルなおっさんが俯いた写真があってびっくりした
いや、ほんとはがっかりした

以下引用

「(古代では)心が星に直結していて、そういう遠い世界と目前の狩猟的現実が精神の中で併存していた」
「今は?」
「今は、どちらもない。あるのは中距離だけ。近接作用も遠隔作用もなくて、ただ曖昧な、中途半端な、偽の現実だけ」



偽の現実、と言われると何も反論できない
そういうものは知らない間に周りに溢れているのかもしれない
でも、いくらそれが嫌でも、来ないで!来ないで!わたしは真実しか愛せない!
っていうスタイルはちょっとつらい

虚構だろうと、それが現実を殻みたいに覆ってしまえば、
ぼくたちは結局従うしかない

人間のミニマムな本質は狩って食うことだということは正しいけど、
だからといってそんな生活をして生きていけない
(世の中には、農耕が始まってからファッキン階級社会が生まれたって言ってる人もいるんだよう!
縄文さんチョリース、弥生時代ファッキントッシュ!、って具合に)


嘘だと知りつつ変化の上っ面を滑りに滑ってゆく、
これはまあ情けないしちょっと悲しいけど
あんがい便利で楽しい事かもしれない
なにより、嫌でもそれから逃げられない

肥満したサラリーマンを見ると、
そんな巨体で、走れるのか?ってふと思う
猫に捕食されるぞ!

2009/07/11

好き好き大好き超愛してる。

久しぶりに見た夢を覚えている
降水確率が10%なのに曇っている

昼食を食べた後、自転車に乗って一時間程徘徊する
家に帰ってスティーブンキングを読む
いつの間にか寝てしまう

起きたら夕食の時間だ

本屋に行き、ダヴィンチを読む。面白そうな雑誌だった
スターバックスに行く
またチャイティーラテを頼む。昨日より牛乳(?)が多いようだ
好き好き大好き超愛してる。を読む
長期間友達にかすので、内容を覚えておきたかった

アダムとイブの話が切ない
この小説は全体としてまとまりが無いように感じるが、
ぼくは結構好きだ

白くて良い紙を使っている
行間が広くて読みやすい

帰り道、歩道を歩くゴキブリを見る

2009/07/10

レーベンシュタイン

午前3時に起床。昨日寝たのが早かっただけだ
しばらく本を読む
インターン情報をリクナビで調べる
行きたいインターンがあったがTOEICの点数制限がついていた
その点数は超していたが、2年以上前のものなので使えない
9月にTOEICを受ける

外に出る。北の空が微かに晴れている。風が強い
気分を変える為に、横浜の県立図書館で勉強する
地下の自習室に初めて入る
入った瞬間、高齢者特有の体臭が鼻を突く
老人と女子高生が数人いる。何人かは机に突っ伏して眠っている
壁や床に、加齢臭が染み付いている

読んでいる本は資本市場についての章にさしかかっている

閲覧席に移動し、同じ本を読み進む
周囲の席は全て男性の老人で埋まっている


5時頃家に帰る
雲と空が混ざり合った絵的にきれいな夕焼けだったが
風が湿っている。風に触れると手が自然に湿る

ランドマークタワーの有隣堂が閉店する
その一階下にはスウェーデンのアパレルH&Mが新規開店する
前の店舗は家具屋だった気がする

近所のスターバックスに行く
疲れていたのでチャイティーラテのアイスを頼む
すんげーーー甘い、けどおいしい

金曜日の夜はバイトも客も毎週同じようなメンツだ
モノローグの人、色男、そしてぼく

久しぶりにパソコンを持っていく
前書いたプログラムの挙動を殆ど忘れていたが、無事動かせた

とりあえず上手く行く
最近は本ばっかり読んでいた
何かを作って上手く行くのは気分がいい

2009/07/08

Kenneth Arrow

あらゆる投票制度はいくつかの条件のもとで同じ類の不整合性をもたらす。
この不整合性とは、どのような民主的政府の意思決定過程でも避けられない性質である。
整合的な選択を行う為の唯一の方法は、1人の人に全ての決定をゆだねる事である。

Joseph E. Stiglitz

——証券アナリストが予想を誤る数ある要因の中の一つ

会社が「クリエイティブ」な会計手法を通じて、正確な利益を報告しない事

魯迅

——スウェーデンの探検家へディンにノーベル賞に推薦されて

顔色が黄色だからといって、特別寛大に優遇しますと、かえって中国人の虚栄心を増長させてしまいます

James Gosling

——身売り先としてはIBMとオラクルのどちらを望んでいたか、という質問に対して

両社のどちらかを選ぶとすれば、間違いなくオラクルを選ぶでしょう。私はIBMで働いた経験があります。

シフォンケーキ

11時頃起床
外は、雨が降っているのか止んでいるのか分からないような天気
暑く、風が強い。風が清涼ではない

市立図書館に本を返却し、スティーヴンキングとアリスを借りる

横須賀線に乗って大船を目指す
対面に山手学院の男子生徒が座る
髪を切る
時間が余ったのでそこらへんの喫茶店に行って
3年前の夏の日記を書く
過去の日記を書く事は
無数に反復された行動の中から
記憶という半透膜を通して
本質を抽出する作業という一面もある

家に帰り夕食を食べ近所のスターバックスに行く
空は厚い雲に覆われているが、ところどころ裂け目がある

やっぱりアイスティーを頼む
ポニーテールの人がシフォンケーキのおまけをくれた
ゆるふわ系の人がいた。初めてみた

経済系の本を読む
途中で寝そうになる
こういうときは本当は素直に寝た方がいい
しかし、しばらくすれば眠気は収まる

2009/07/07

寝付けずに舞城王太郎「好き好き大好き超愛してる。」を読む
これを読むのは二度目
メタ化された人間関係というものを、最初よりは納得できた

よく眠れなかったが8時頃に起きる
朝ご飯にきつねうどんをつくってたべる
外に出ると、本当に久しぶりに晴れている
ラッシュをさけて電車に乗ったはずが、やけに混んでいる

死と再生についてのオムニバス講義
テーマは社会学における自殺
個人的な体験、必要性から、研究を進める教授が教壇に立つ
世界の断片を消化し、自分の心の間隙に充填してゆく作業
金にならない偉くなれない、しかし、
それは凡人に残された(人文?)研究の意義なのかもしれないかもなあと思う
授業の内容は殆ど覚えていない

午後1時、チーズクラッカーを食べる
図書館にいってミクロ経済学の教科書を探す
結局スティグリッツにする。700ページ以上ある

地下一階でメモを取りながら読む

午後2時40分、飽きたので散歩。サンドウィッチを食べる
「青春小説」というあおりが気になって池澤夏樹のスティル・ライフを買う

午後3時、図書館に戻りスティグリッツの読書を再開
この本は優しい
ミクロ経済学入門講義は無愛想だが、説明が透明に感じる

午後5時、飽きてきたので散歩
近くの店にてクーリッシュレモンライムを買う
外のベンチでクーリッシュレモンライムを食べていたら肘を蚊に食われる

午後5時30分、図書館に戻る
やる気が出ないのでスティル・ライフを読み、読み終わり、
かといってやる気が回復した訳ではないけれどまたスティグリッツを読む

午後7時10分、嫌になったので帰り支度をするが
その前に帰りの電車内で読む本を探しに行く

難しい本は読みたくない
図書館に地下二階がある事を初めて知る

舞城王太郎を検索すると、日吉に「ディスコ探偵水曜日」がある
しかしそれしか無い

結局指輪物語の解説本のようなものを借りた。絵も付いてて面白そうだ

夜8時、帰り道は何故か大学生でごった返している
ゼミか実習の帰りなのかもしれない
だいたい皆知り合いのようだ
ぬるく重く暗い都会の夏の夜だったが、彼らは楽しそうだ

駅にはやはり沢山のサラリーマンたち
京浜急行の8時30頃の電車は帰宅ラッシュの過渡にある
しかし本は読める。横浜ではかなりの人がおりる

今日は喫茶店には行かない
図書館での勉強を途中で切り上げて
そこらへんの喫茶店で続きをやった方が能率よく出来ただろう
しかし、学生の群れと気怠い夜に「下校」するのは
この先何度できることやら

2009/07/06

リピート

9時頃起床し本を読むがいつの間にか寝ていた
12時に目覚めて昼食を取る
家の中にいるとぼーっとしてしまうので外へでる

暑く、空気は湿っている。小雨が降っている
不快さに対する心構えが出来ていれば、不快さはそれほど不快ではなかった

月曜日は図書館の休館日なのでドトールコーヒーに行きアイスコーヒーを頼む
ガムシロップを半分だけ入れるとちょうど良い甘さになる

店内は人の話し声で騒々しかったのでiPodでスピッツの8823をリピートで聞きながら
昨日の復習を進める

8823が1周半したところで切り上げて自宅へ戻る
雨がやんでいる。来たときよりも涼しくなっている

自宅で佐伯啓思「欲望と資本主義」を読み進める
価値を投下された労働量で判断するか、marginalな欲望で判断するか、というのが
マルクス経済学とマルクスを否定した経済学との違いの一つだ、と述べている
ぼくは彼の指摘を待つまでこのことに気がつかなかった

5時頃、走りに外へ、雲が薄くなっている。左回り
足もお腹も痛くならず、少しスピードが出せた。いつもより気持ちのよい走りだった

自宅に戻りストレッチをし、シャワーを浴びてから体重を量ると一昨日より800グラム減っていた。体脂肪率は変わっていない

夕飯を食べてから近所のスターバックスへ行く。空気は湿っている。雲が多く空は藍色
昨日の失敗を繰り返さないように、アイスティーを頼む

小さなノートに日記を書く。殴り書きだが、自分にしてはバランスのいい字で書けた
大きなノートに復習の続き。今日は復習で終わりそうだが、構わない
丁寧に書いたが、あまり上手い字とは言えない。殴り書きの字の方が見栄えがよい

閉店間際になっても客は来る。仕事帰りなのだろう
昨日の失敗を繰り返さないように、閉店前に店をでる
空気は湿っている

2009/07/04

ポニーテール

早起きして大学に行く
授業後図書館で復習しようとするが眠くて手が着かず
芸術新潮のゴーギャン特集を読む(眠いけど読めた)
曰くゴーギャンは証券マンを辞めて画家になった
沢山の女を孕ませた
娘が死んだショックで自殺しようとした
でも結局大作を描いてから死んだ
ゴーギャン、ますらをなやつ

エレベが欲しいので横浜にいって楽器屋を見物する
フェンダージャパンのプレベを試奏したが意外と長くて重い
自分にはミディアムかショートスケールがいいみたいだ

夜は近所のスターバックスに行く
アイスティー頼んだら短髪のハーフがストロー差してくれた
こんなサーヴィスは初めてだ
店員には、あと(商業的)笑顔の眩しいおだんごの人とポニーテールの人がいた
ポニーの人は見覚えが無かった

客には色男と独り言の人がいた
独り言の人は商品を買いこみ、店員にしきりに話しかけていた
ポニーの人は献身的に彼の話を聞いていて、なんだか感動した
ぼくは授業の復習をしていた
客が少なく、静かな夜だった。小雨が降っていた