2011/02/17

芥川賞選評コメント


限りなく透明に近いブルー
「芥川賞の銓衡委員をつとめるようになって三十七回目になるが、これほどとらまえどころのない小説にめぐりあったことはなかった。それでいてこの小説の魅力を強烈に感じた。」「若々しくて、さばさばとしていて、やさしくて、いくらかもろい感じのするのも、この作者生得の抒情性のせいであろう。」「二十代の若さでなければ書けない小説である。」(丹波文雄


丹波文雄は慧眼だ。
確かに村上龍のその後の作品は、限りなく~とはかなり違う。
もろさがあんまりない(気がする)。醒めたマッチョのような感じになっている。

コールドプレイもファーストは、もろもろしく、水水しかった。
若さと引き換えなのか。そういうものは。

2011/02/16

劇のネタ

「世界革命!プリキュア」


ディー室に渦巻く罪

暴食(誰かのおみやげをいくつも食べる)
色欲(ハーレムバンドばっか組む)
強欲(譜面立を同時に二つ使って作業)
怠惰(毎日同じ服を着てドラムをたたきにくる)
嫉妬(同級生女子を先輩に誘惑された一年生男子)
傲慢(ジャズってかっこいい、ジャズやる俺もかっこいい)
憤怒(合唱団むくどり)

革命する3人のプリキュア!
キュア自由、キュア平等、キュア博愛
憤怒(むくどり)以外の罪をひとしきり踏んだ後ギロチンにかける。
「自由と平等と博愛の精神に照らし合わせるとぶっちゃけありえない!」

全員倒したあと、ディー室に革命的な瞬間が訪れる
そこにはむくどりがのびのびとさえずるサンクチュアリがあったという

エンディングテーマはラ・マルセイエーズ(アカペラ)

six hearts princess


音声付

kaikaikiki作。
額の漢字がかっこいい。作者は、怪物が吐くシーンにこだわったそうです。



heart catch pretty cure

プリキュアのクオリティーすごい。


キュアロスローリエン?

2011/02/15

村上隆と理念について

村上隆 「芸術起業論」

村上隆さんはとてもしたたかな人だ、とぼんやりと思っていた。しかしそれは、こっぱずかしいとも言える人生上の問題から–––おれって何なんだろう、とくよくよ悩む中高生のような、沢山の人が素通りしてしまうようなものがエンジンとなっている。

自分も薄々気付いておきながら素通りしそうになっていたが、理念というのは、ある種のひとびと、コーヒーを好んだり、本を横向きに積み上げる癖があったり、自分の悩みと宇宙の大きさを比べておれはなんとちっぽけなんだと考えた次の瞬間に俺は自分を騙してはいないか?と疑うようなひとびとには大事なのだと思う。

理念の設定に正誤は無い。あくまで立場の問題だ。人参は食べるがピーマンは拒否する、というのと変わらない。

なので理念設定は自分の欲望に従うのが自然だ。しかしそれは易々と見えるものでは無い。村上隆は自分を追い込むことで理念が根源的な欲求と繋がっているか何度も確認している。
その根源的な欲望を達成する為には何だってやれよ、ということだ。

この本を読んで、村上春樹のねじまき鳥クロニクルの戦時中に井戸に放り投げられた男を思い出した。